花コラム
花コラム 第27回:サザンカ、サザンカ咲いた道
2019.11.1 第27回:サザンカ、サザンカ咲いた道
木の葉が舞い、肌寒く感じるようになると、童謡の「たき火」(作詞:巽聖歌、作曲:渡辺茂)が口をついて出ることがあります。
垣根には、キンモクセイ、キャラボク、ヒイラギなどいろいろな木がありますが、花の咲く垣根といえばサザンカ(山茶花)=写真=でしょう。サザンカはツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹で、11月から3月にかけて白やピンク、赤色の花径5~7?の5弁の花を咲かせます。花の少ない冬場を彩る貴重な花です。
ツバキ科の木の葉はお茶のような飲料になることから、中国語では〈山に生えるお茶の木〉「山茶」と言われます。その木の花「山茶花」(サンザクヮ)は中世に日本に伝わりましたが、いつしか訛って「サザンカ」=写真=になりました。
サザンカは同じ科、属のツバキ(椿)と見た目はよく似ています。プロの造園屋さんも間違うことがあるそうです。よく知られている見分け方は、散り方。サザンカは花びらが一つずつ散りますが、ツバキは花一輪が丸ごとストンと落ちます=写真の左はサザンカ、右はツバキ=。 ツバキはサザンカより2~4か月遅く咲きます。花びらをよく見ると、サザンカは薄く、ツバキは厚みがあるなど違いはいろいろとありますが、やっかいな共通点もあります。それは、毒蛾のチャドクガがサザンカやツバキの葉を食べるということです。
リズミカルなメロディの「たき火」は口ずさんでも、今では街中でたき火を見かけることはなくなりました。たき火から有害物質のダイオキシンが発生することなどから、条例などで禁止になっています。たき火で焼き芋を作るのは昔話になりました=イラスト=。 道路沿いにサザンカが咲き、やがて花びらが散って路面を彩る景色を見たのは、もう何十年も前のことです。懐かしい童謡の光景はまた一つ、なくなっていきます。 ※参考図書プレミアムフラワーの花コラム
♪垣根の 垣根の 曲がり角 たき火だ たき火だ 落ち葉たき…
サザンカ サザンカ 咲いた道 たき火だ たき火だ 落ち葉たき…(原詩は平かな)冬場を彩る貴重な花
山に生える茶の木だから山茶花
よく似たツバキとの見分け方
やっかいな共通点
幼虫の毒針毛に触れると、腫れて、痒くなります。妻もチャドクガの被害に遭ったことがあります。すぐに病院に行って手当を受けましたが、それでも1週間ほどは全身の痒みに悩まされました。たき火で焼き芋は昔話に
そう言えば、サザンカの垣根も余り見かけなくなりました。手入れの必要な生垣よりも、塀の方が好まれるようになったようです。それに、家の周囲には目隠しがない方が泥棒に入られにくいという防犯上の理由から、垣根のないオープン外構の家が多くなったこともあるのでしょう。消えていく童謡の光景
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「NHK趣味の園芸 ツバキ、サザンカ」(編者:日本ツバキ協会、発行:NHK出版)
「花木・公園の木」(著者:八木下知子、出版:山と渓谷社)
※参考サイト
「語源由来辞典」「椿(ツバキ)と山茶花(サザンカ)を見分ける方法をご紹介」
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